英国紳士のスパイアクション「Kingsman」

洋画
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お久しぶりです。

僕の気の向いたときに書くので更新頻度はまちまちになります。ご了承ください。

さて、今回はアマプラで洋画漁りをしている際に超絶面白かったキングスマンについて書いていこうと思います。

Kingsman -THE SECRET SERVICE-

英国紳士×スパイアクション

元がコミックらしいのですが原作の存在を知らず、例のシーンの映画だ!という一点のみで見始めました。全体的にはコミカル(おもいっきしギャグというわけではなく)だけれど、単純なアクションを楽しむだけではない深みのある映画だったなあと感じました。英国における紳士とは何なのかという部分や、敵のやっていることは悪なんだけれども一部では共感を呼ぶ部分も確かにあるといったところで、ただカッコいい英国紳士を見る映画じゃないんだなというのは感じましたね。

英国紳士と呼ばれる存在は創作ではよく聞きますが、実際のところどういった条件が英国紳士として認められるのか、どのような概念なのか、日本ではイメージ自体はあると思いますが多くの人がふわふわしたイメージだと思います。どの作品でもおおよそは落ち着いた雰囲気で知性のある紳士といった印象です。

そんな中で今作では英国産の作品、役者で英国における一解釈が濃厚に反映されていると思います。・・・少なくとも映画を観た英国国民があまりにも解釈違いだという感想を大きく聞かない程度には。

大本としてスパイと英国紳士を掛け合わせた意味、そして「一日中、突っ立ってる気か?それとも戦うのか?」のセリフだったり、戦う必要があれば人や誇りを守るために戦えること。そしてそれらをするに相応しい教養や服装を身に着けるべしっていう感じでしたね。

序盤のエグジーでは大切な母親や弟を守るための強さ、教養がなかったわけですが(家族を思うやさしさはあった)、ハリーからいろいろ学ぶうちに紳士とは何たるかを身に着けていったように感じました。なので英国紳士になるにはどうしたらいいのか、その必要がきたらこの作品を見ればいいということですね。(厳かな風味がないのは年を重ねていないのでしょうがないところ。)

登場人物について

本作はコードネームが円卓の騎士からとられており、Fateで培われた円卓感でおおよその名前はわかったので、そこはすんなり受け入れられましたね。登場人物の結末の暗喩がされているわけでもなく、英国を守る騎士として純粋にかっこいいなと思いました。(詳しい由来は後に公開されたファーストエージェントにて)

正直、円卓の騎士の日本における一般の認知度ってそんなに高くないような気がしている(オタク界隈除く)ので、そこらへんで登場人物自身の名前とコードネームでごっちゃになる人もいるのかなといった感じですね。

今回第一に触れるとしたら元の円卓でも重要人物な本作のW主人公のガラハッドでしょう。

先代のハリー、そしてエグジーどちらもいいですよね・・・。

ハリーは落ち着いた雰囲気を醸し出す紳士かと思いきや、戦うときは派手にやる素晴らしい紳士でした。華麗に戦うというわけではなく、忌憚なくいってしまえば結構泥臭い戦い方をしますが、それもまたいい味を出している。(あんな激しい戦場だったらすましてられないもんね)また堅物な面もありますが、エグジーをしっかりと導いてくれる教養に満ちた大人であったと思います。

エグジーは初めは家庭環境もあってやんちゃボーイ状態でしたが、よくぞ根っこまで腐らなかったと褒めたい割といい青年ですよね。ぐれきってたら赤子なんて見向きもしないですからね。やんちゃな性格はそう育ってしまったので、ハリーからいろいろ教えてもらった後もあまり変わりませんでしたが、とにかく自分の身内を慈しむ心(自分の守りたいものを守る)は一貫していたので、いいキャラだったなと思います。戦い方はハリーとはうって変わって若さゆえのかなりアクロバットな戦い方が目立ちましたね。壁蹴りだったりガゼルとの一騎打ちだったり見どころ多しといったところです。

他にもマーリンやランスロットなど見てて楽しいキャラクターは多かったです。次回作にはまさかの立ち位置のキャラもいますしね。

そして今回のボスとなるヴァレンタイン。日本でも上映される洋画の中ではあまり見ないキャラ付けだったように思います。環境を憂いて、それが正しいことだと信じて盲信してしまう。血を見ると吐きそうになるぐらい、血なまぐさいことが苦手。だからといって自身が裏に引っ込んで他人を操るわけではなく、自身がちゃんと説得して回るなど最近中々見ないタイプの悪役だったように思います。なおかつ自分が悪役だというのを自覚しているのも個人的にポイント高かったです。

選別した後にそれらの人たちが担っていた仕事はすべてお前らに行くんやでといった計画の穴についてはちょっと微妙な感じはしましたが、概ね理想だけはわからなくはない主張でしたね(許されはしませんが)。

そして側近のガゼル。こういった映画特有の恐ろしい程切れる義足の剣でいいアクションをたくさん見せてくれました。ヴァレンタインが唯一心を許しているという関係もいいですよね・・・いい・・・。好きなコンビでした。

演出はコメディ?グロい?カッコいいスパイ道具

今作では話の大筋ではしっかりとしたテーマを描いているものの英国的なジョークやコメディ演出でそこまで堅苦しくなく見ることが出来ると思います。とはいえアクション部分ではグロい部分も多々あり・・・爽快さに肝はおかれているのですが、人間の頭が連続で花火したり(そのまんま)倫理的に英国のブラックな面が存分に発揮されています。僕はそういうものだと思って割り切って見れますが、英国のそういったブラックジョーク的な面をあまり知らないと少し眉を顰める部分もあるかもしれません。

ただそういった演出も本当の意味でのグロさをごまかすための演出であり、猟奇系のホラーとは比べるべくもなくマイルドにはなっていることは注釈させていただきます。こうグロさ(内臓丸見え的な)をごまかすためにグロく(倫理的に)なってしまっていると思ってもらえればいいかなと。

そして今作を語るうえで欠かせないのが、スパイの秘密道具です!

防弾傘(射撃機能付き)、某コナンの時計型麻酔銃的な腕時計(さらに多機能!)、手榴弾ライター、仕込みナイフ付き革靴などなど心躍るスパイグッズが盛りだくさんです!別の作品でもパロディでたくさん擦られてますね(僕はNIKKEでのココアのキャラストが記憶に残ってます・・・!)。それらの秘密道具を余すことなく活用したアクション、ストーリーは必見です!これは続編のゴールデンサークルでも同様なのでこういった要素目当てならば文句なしだと思います。

最後に

簡単な心持ちでみるスパイアクションとしては、非常に良かったですね。しかしながらただ爽快なだけではないしっかりとしたテーマを基に制作された作品というのをすごく感じました。

今まで例のシーンを見たことしかない人も是非一度ご照覧あれ。

というところで今回はこれにて失礼いたします。

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